いけずの語源は池之端の芋茎ではなさそう【由来】

いけずの語源は池之端の芋茎ではなさそう【由来】

こんにちは、つむぎゆりです!

今回は「いけず」の語源や由来を解説します。

結論からいうと、いかず(うまくいかない)が転じたのが語源の説が有力です。

さらに調べていくと、ネットで有力とされている「池之端の芋茎」が由来というのはデマの可能性が高い説も浮上しました。

いけずの語源は池之端の芋茎ではなさそう【由来】

いけずの成り立ちを解説

いけずといえば「いけずやわ~」とドラマの中で言っていたり、やはりちびまる子ちゃんの中で出てきたイメージが強いのですが笑、なかなか独特な言葉な気がします。

今回も、語源辞書や方言辞書をベースに、ネットで情報を補完しつつ「いけず」の語源やその周辺について調べてみました。

いけずの語源を徹底的に調査

日本語源大辞典(刊:小学館)によれば、2種類の説がありました。

  • 「いかず」から転じた(尋常にはいかぬという意味)。
  • 「いけずもの」(不成者)という意味合い。

とのことで、これを見た結果、僕はまあ「行かず」から転じたんだろうなぁと思ったのですが、ネットを見るとほかにも諸説がけっこうありました笑

  • 池之端の芋茎」という周りの草から栄養を取ってしまう植物の名前が縮んだ
  • 江戸時代の「いかず」がいけずに転じた※これは辞書と同じ
  • 行けず(通せんぼ)から意地悪という意味合いに

いろいろなサイトを見て回りましたが、おおよそこの3つの説が有力でしたが、どちらかといえば池之端の芋茎(いけのはたのずいき)が縮んでいけずになった、という説の数が多かった気がします。

長い植物の名前が縮むことはありえるのか?

本来ならここで記事が終わるところなのですが笑、調べていてひとつ感じたことがありました。

池之端の芋茎」という、周囲の植物の栄養を吸い取ってしまうものがあり、果たしてそれの略称が広まることってありえるのかなと

まず疑問点として、よっぽど有名な植物でないと、それがどういった成長の仕方をするかなんて江戸時代とかでわからないと思うんですよ。

で、それが「いけの」などでなく、「いけず」という縮み方もやや疑問が残る。

というわけで、池之端の芋茎についてもっと調べてみることにしました笑

池之端の芋茎についてとことん調査

まず、芋茎(ずいき)は主に赤ずいきという里芋のことを指しているのですが、とりあえずその「芋茎」の語源から調べてみることに。

語源大辞典では以下のような通説がありました。

  • 髄茎(ずいくき)が略された(※髄茎という言葉は検索してもGoogleで引っかかりませんでしたが、髄という言葉は植物の茎における中心を指すため、髄茎もほぼ茎に近い意味合いだと思います)
  • 取り分けるときや食べるときに「ズイ」と音が立つから
  • 擦りむいたような茎=スリクキのが転じた
  • スイキ(進学芋)の意味合い
  • 透けてる(ス)イ(接続語。文章をつなぐだけの言葉)茎(キ)を略して

対して、Wikipediaはというと、「皮を向いて髄を食べる様子から」、という記述が。

ほかのサイトで調べた芋茎の語源の通説は以下の通り。

南北朝鮮時代のお坊さんの歌から

結果、何十ページも調べたわけではありませんが、上記のものが見つかったのみでした。

池之端はどこからきた?

Googleで池之端を検索すると、東京都大東区の地名が出てきます

おそらくこれは関係なさそうですが、元ネタの池之端は「水のほとり」という意味合いとのこと。

それから、「池之端 関西」などで検索してもとくに由来などは出てきませんでした

ただ「江戸時代 池之端」で検索すると、どうやら江戸時代には「不忍池の南部」を「池之端」と言っていた模様。

ほかにも池之端の芋茎説に疑問を唱える人を発見

で、調べていくうちに、なんと筆者とまったく同じ理由で、池之端の芋茎について疑問を呈している方がいました笑

というか、僕なんかよりもハッキリとした理由で考察しており、嬉しくもあり悔しくもあったのですが笑

ではではさらに「池之端の芋茎」や「いけず」について調査をしていきたいと思います。

いけず=池之端の芋茎説はデマ?

上記の方の主張をまとめると以下のとおり。

  • 池之端の芋茎説を唱えるサイトはどれも同じ文体で、2018年より前のものがない
  • 辞書や文献にも見かけない
  • 語源として回りくどい
  • さらに栄養を吸収するのは芋茎部分ではなく里芋本体

めちゃめちゃに一刀両断されてて気持ちいいぐらいでした笑

いや確かにそうなんですよね、辞書にもまったくないし、語源としてわかりにくいかなと(それなのに「いけず 語源」Google検索1位は未だに池之端の芋茎が有力説)

語源は確定できるものではないが…

これだけ長いこと調べておいてなんですが、語源や由来は完全にこれ、と確定できるものではありません笑

なので、もしかしたら池之端の芋茎が語源という可能性もありますが、たとえば江戸時代の書物に書かれていたなどの記述もないため、筆者個人はデマの可能性が非常に高いと推測します。

というか、調べるまではまさかこんなことになると思いませんでした笑(記事の後半はちびまる子ちゃんとかのことを書こうと思ってたw)

ちなみに、上記のYahoo知恵袋で異論を唱えてたいた方の言うとおり、たしかに2018年以前で池之端の区域説を唱えているサイトは見当たりませんでした。

まあただあれですよね、夢のある説というか、それだけ説得力がある理由だったわけで、これを作った人の技巧にも驚かされた今日このごろです。

まとめ

以上、いけずの語源について解説しました!

けっきょく、「いかず」が転じて「いけず」になった説が、語源辞書を見るかぎりでは有力そうですが、確かなことはわからなかった次第です。

▶高校を受験せずお笑い芸人を目指す→ネタ見せ2年→小説を10年間で110作投稿し新人賞受賞→漫画で同人作家7年→現エンジニア&チャットノベル「百合と世界と名探偵」連載中。

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