方言のマーケティング事例【旅館やポスター、ゆるキャラやSNS】 | つむぎゆりブログ

方言のマーケティング事例【旅館やポスター、ゆるキャラやSNS】

方言のマーケティング事例【旅館やポスター、ゆるキャラやSNS】

こんにちは、つむぎゆりです!

今回は、方言のマーケティング事例を解説します。

旅館やポスター、ご当地キャラやTwitter、ほかにもWEBサイトなどの事例を掲載

旅館の取り組みや、ポスターへの活用

この記事の内容は、以下の資料を参考にしています↓

方言を活用した事例

まず最初に、方言を使ったマーケティング事例を簡単に紹介

  • 三河弁かるた→方言をつかったグッズ
  • 八千代バス→バスガイドが方言を喋る
  • 東北議事録センター→裁判時、質疑での方言をテキスト化する事業(弁護士向け)
  • ソラとウミのアイダ→方言女子をメインキャラにしたスマホゲー

やはり、わかりやすいものですと、方言を使ったお土産品(タオルや食べ物)などですよね笑

ただ方言の翻訳を専門とした事業であったり、方言を押し出した観光事業はなるほどな、と驚かされました。

方言を使った漫画やゲームも、普段は意識しませんがたしかにマーケティングの一貫ですね。

星野リゾート 青森屋

ニッチャー戦略(リーダーが苦手なすきま需要を狙うこと)の事例でもよく取り上げられる、星のリゾートの事例を紹介します。

星野リゾートを簡潔に説明すると、コンセプトや独自性を打ち出し、廃業した(経営難)ホテル旅館を再建することに長けたグループ企業です。

さまざまな旅館を再建してきた星野リゾートですが、今回は青森屋(前進:古牧第1~第4グランドホテル。経営破綻後に名称変更)を再建。

ちなみに、資料によれば青森は方言主流社会(日常生活と商業利用の相関がある)とのことで、そういった地合いも業績に結びついたのでしょう。

青森屋がおこなった方言プロモーション例

  • 「のれそれ青森」というキャッチフレーズを提案(のれそれは目いっぱいという意味)
  • コンセプトは『徹底的に青森にこだわろう』
  • スタッフとお客様の会話をできるだけ方言にする
  • ただし安全に関する説明のみ標準語を採用
  • 施設名や部屋なども方言に

それでは、上記の施策をそれぞれ深掘りしていきます。

旅館スタッフと方言

青森県には津軽弁や南部弁など複数の方言が存在しているのですが、星野リゾートではあえてわけず「青森県」を一括りにしています。

あえて津軽弁と南部弁を分けないことでコストを増やさず、わかりやすい自由なサービスにすることが可能に。

また、使える範囲で使えばよく、使えなければ使わないという方針。

社内の方言講座は希望者のみが受講し、一言だけでも使えればといったニュアンスで、日常生活で実際に使っているものを活かしているとのこと。

実際の使用例としては、「おばんです(こんばんは)」「へばな~(それじゃあね)」など。

施設やポスター例

施設名

  • ヨッテマレ酒場
  • じゃわめぐ広場
  • やってみるべ(体験受付施設)

部屋タイプ名

  • えんつこ(ゆりかご)
  • あずまし(心地いい)
  • おぐらみ(気品ある)

ポスター

  • 「楽しんでけろ~」
  • 「何言ってるだかわかんねけど」
  • 「まだ来でげろじゃ」

総じて

重要なポイントとしては、経営者はコンセプト作りやターゲット層を決める役割を担ったが、従業員自らに考えてもらう仕組みづくりを作ったところ。

方言は言語市場にとってニッチだが、観光などと合わせれば市場拡大が狙える点。

お土産やお祭りなどのイベントと合わせて方言を活用することにより、顧客の消費が増え結果的に利益が拡大する、といった点でしょうか。

ポスターや看板、ゆるキャラやネットの事例

方言を活用したものとして、グッズやポスターなどのモノ

ゆるキャラやWEBサイトなどのコトが挙げられます。

おいでませ、山口

1970年のテレビCMで使われたメッセージで、方言メッセージが首都圏で使われた初期の例となります。

その後、2011年の秋季国民体育大会で、「おいでませ!山口国体」という文言も。

使われた理由は、共通語よりも方言のほうが経済効果が高いと考えられたため。

ポスターなどの使用例

  1. 食っとがんせ(岩手県)
  2. ちかっぱ楽しか!福岡。(福岡県)
  3. 岐阜へめんそーれ(沖縄県のバスラッピングに、岐阜の大学広報が掲示)
  4. おじゃりやせ、八丈島(東京都交通局が、八丈島までの私鉄を宣伝)

1と2は、岩手県と福岡県が、ほかの地域や地元住民に向けて発信している構図。

3と4は、別の地域が各地の方言を使っている例となります。

ポスターなどに方言を使われる事例は1と2のような例は容易に想像できますが、べつの地域によって使うことでも方言を活用できる例が3や4の例になるかと。

マナー広告などの例

  • アカン 路上禁煙(大阪府:社会マナー)
  • おめはん1人じゃながんすべ(岩手県:自殺防止)
  • 振り込め詐欺 気ぃつけておくれやっしゃ~(京都府:防犯)
  • ニセ電話詐欺 許さんばい!(福岡県:防犯)
  • やめろ!!ゴミなげんのは わらしァど見でっぞ(岩手県:ゴミ投棄)

方言は地域としてのアイデンティティと密接に関わっており、地元に住んでいるという帰属意識により働きかける効果があると推測されます。

ご当地キャラクター

資料によれば、ご当地キャラクターの定義は「特定の地域を象徴するイメージキャラクター」とのこと。

今でも有名な「ひこにゃん」、「くまモン」などがそのブームを牽引しました。

キャラクター名は地域資源(特産物、生息物、民族、偉人など)をモチーフとして作られており、たとえば以下のような事例が存在。

  • ナミー&ハギー(秋田県:ナマハゲ)
  • 黄門ちゃま(茨城県:水戸黄門)
  • モッピー(大阪府:モズ)
  • ブンカッキー(広島県:カキ)

また、ご当地キャラがTwitterなどの解説役となった場合、記事のテーマでもある方言を使う例も多く見受けられます。

SNSやWebサイトと方言

現代になってメールやLINEが発達したことにより、話し言葉だけでなく打ち言葉による方言が意識されるようになってきたとのこと。

そのなかで、LINE上で方言を使うことにより親近感などがより高まるため、新しく注目され始めています。

方言によるLINEスタンプなどの登場、方言に関するWebサイトなども数多く誕生し、より多岐にわたって方言が広まる契機になることに。

例としては以下のとおり↓

  • Web方言集(方言をアーカイブ化しまとめたもの)
  • 方言翻訳(共通語をさまざまな方言に翻訳)
  • 方言情報集約型Webサイト(利用者から方言を集めて掲載)
  • 方言掲示板(簡単にいうとYahoo知恵袋のような形態)

総じて、ネット環境の普及により、今まで話し言葉を主として広まっていた方言が、打ち言葉によって広まるという新しい現象が生まれ始めたという変化が訪れました。

また、逆に脱地域化する格好にもなり、より発信地域があやふやになっている要素も残念ですがいっぽうで増えつつもあります。

なんにせよ、資料を見ていて僕自身も思ったのですが、ネットが当たり前になった現代でも方言はマーケティングにまだまだ役立つし、普段意識していないところで活用されていて、新しい時代へ移行したことは確実だろうという感想を持ちました

まとめ

以上、方言のマーケティング事例を解説しました!

そういえば商品名やポスター、CMなどに使われている方言を思い出したり、星野リゾートの話を聞いてより方言に興味が出た次第です。

▶高校を受験せずお笑い芸人を目指す→ネタ見せ2年→小説を10年間で110作投稿し新人賞受賞→漫画で同人作家7年→マーケティング&プログラム1年→フリーランスのブロガー(所持ブログ10本以上)

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