こんにちは、つむぎゆりです!
今回は、ぬくといの方言や、ぬくいについても解説します。
結論からいうと、ぬくといの方言が主に使われているのは、埼玉県や岐阜県です。
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ぬくといを解説
調査方法としては主に書籍、補完でネットを使っています。
後述しますが、「ぬくとい」は一部地方で使われていますが、「ぬくい」に関してはかなり広域にわたり使われていて、調べているときにびっくりしました笑
ぬくといが使われている地域
- 埼玉県
- 岐阜県(とくに以下の地域で使用)
- 西美濃(岐阜市、大垣市、揖斐郡、海津市)
- 奥美濃(郡上市)
- 南美濃(下呂市)
上記は方言大辞典(刊:三省堂)で調べた結果となります(埼玉県は細かく分かれていませんでした)。
つづいてネットで調べたところ、やはり岐阜と埼玉は確定、ただほかには静岡県や山梨県で使われているという情報も発見。
以上のことから鑑みて、「ぬくとい」は主に関東や中部で使われていたといっていいでしょう(方言は伝播したり衰退するため、時代などによって変わるといえど)。
ちなみに、ぬくといの意味としては「温かいや温かい」、語源は「ぬるい」が「ぬくとい」として変化したものとなります。
ただ、調べているうちにひとつ気づいたことがありまして…。
内陸部の寒い地域で使われやすい?
それはですね、こう、辞書を調べていて思ったのですが、埼玉と岐阜って離れているのって何か違和感があるなと笑
つまりどういうことかいうと、埼玉と岐阜はお互い連なっていないのに、どうして同じ方言が使われているのか気になって調べてみました。
結局明確な答えはわからなかったのですが、ふたつの地域の共通点を見つけまして。
それは海に囲まれていない内陸部であり、気温が低くなりやすいことが埼玉と岐阜の共通点として非常に有力ではないかなと。
ちなみに、なぜ内陸部のほうが気温が低くなるかというと、海水が赤道の影響で暖められ、それがやってくることによって海が近いと気温が上がりやすいからなんですね。
で、方言の特徴として、気温や地形と密接に関係しており(たとえば海に近いと「しょっぱい」が変化したものが多くなる)、方言を形成するセオリーとも合致しているのではないでしょうか。
というわけで、ぬくといは静岡や山梨にも広がっているが、とくに内陸部である埼玉や岐阜に根強く浸透している方言といえるでしょう。
ぬくいの方言はどこ?
続いて、同じく「暖かいや温かい」を表す、「ぬくい」について解説します(一目でわかる方言大辞典:あかね書房で調査)。
「ぬくい」はもちろんですが、似た言葉は全国に広がっていることがよくわかるかなと。
ぬくいが変化した方言
- ぬきー(岡山、広島)
- ぬくい(北海道、富山、石川、滋賀、大坂、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、山口、徳島、香川、愛媛、高知)
- ぬくいー(大分、宮崎)
- ぬくてー(群馬、埼玉、神奈川、静岡)
- ぬっか(福岡、差が、熊本)
- のくい(島根)
- のくてー(長野)
- のこてー(秋田)
ちなみに、温かいが変化した方言は以下のとおり。
- あったかい(北海道、東京、富山、山梨、京都)
- あったげぁ(青森県八戸、岩手、宮城、福島県会津)
- あったけー(群馬、埼玉、神奈川、新潟県佐渡、長田の)
- あったこ(山形)
…はい、めちゃめちゃいっぱいありますね笑
傾向的には、東日本が「あたたかい」で、西日本が「ぬくい」の系譜といえそうです。
ちなみに、本だけでなくネットを調べても、上記とほぼ同じ結果が出てますね。
こたつに入る表現で「ぬくぬく」などと言いますが、これがおそらく由来となっておりなるほどと驚きました。
ちなみに西日本で見られる「ぬくずし」は、蒸し寿司のことで、もちろん「ぬくい」が由来です。
ぬくいは関西弁?
ネットを調べていると、ぬくいは関西弁かどうかという質問を多く見かけました。
結論からいうと、関西弁でもある、といったところだと思います。
確かに関西でもよく使われますが、北海道でも使われますし、九州でも用いられることがあるそうで、完全に関西弁というわけでもなさそうです。
また、「ぬくい」がどこから発祥したかも調べてみたのですが、ちょっとわからず、もしかしたら大坂などの関西由来の可能性もありそう、とネットを調べただけの感覚なので非常に曖昧ですが、そんな手応えは感じました。
まとめ
以上、ぬくといやぬくいの方言を解説しました!
内陸部が気温が低く、そしてその地域でぬくという方言が使われていることがわかって、ちょっと調べた甲斐があるなとひそかに思った今日このごろです笑