
こんにちは、つむぎゆりです!
今回は、「若者言葉の研究─SNS時代の言語変化」という本を読んだので、そのレビューと感想となります。
結論からいうと、非常におすすめで読むだけで新しい発見だらけでしたが、ポップな表紙とは裏腹に、内容はガチガチの論文のようなお硬い文章だったので、読む人を選ぶかもしれません笑
アピアランスの心理学↓
建設業DX↓
自治体DX↓
若者言葉の研究を読んだ感想
まず、内容としてかなり面白かったです。
やはり、今まで無意識で使っていたものや気になっていた言葉を、体系化したりきちんと研究しているのが、知的好奇心揺さぶられまくりでした笑
読んで面白かったところ
- 若者言葉と思って使っていない言葉がたくさんあった
- 調査方法や、その根拠や推察がしっかりしている
- これ1冊で言葉への価値観が変わることうけあい
このブログではネットスラングなどを扱うことが多いせいか、読んでみようと思ったのですが、やはり正解でした。
ググるや激おこぷんぷん丸などわかりやすいもの以外にも、これも若者言葉なのか、といったものが多かったです(後述)。
また、かなり調査するのがたいへんだったろうな、という感じで、こういったブログのように主観ではなくきちんとその分析したデータがないといけないため笑、なかなか読み応えがありました。
書籍自体はページ数がありますが、後半はインタビューなどの記録などだったりするので、体感ではもっと短く感じると思います。
読みにくかったところなど
いろいろ挙げたら多くなってしまいました笑
- 表紙と内容のギャップがすごい
- 内容は論文調のため、慣れていない人にはかなりつらい
- もっとそこを調べてほしい、というところが調査不足
- 章の出だしで先行研究の不備を唱えているが、現研究との違いが、ぱっと読んだだけだからもしれないが一見してわかりにくかった
- 要点などを章の終わりなどでまとめてくれるとさらにわかりやすかったかも
- 表紙などからは最新のものと思われるニュアンスだが、2010年代の研究のものが多く、出版事情などもあるかもしれないが2022年に発売された書籍としては古く感じた
とにかく、よくGoogleなどで読めるPDFの論文とまったく同じ論調で、よくも悪くも表紙に裏切られた格好となりました笑
なんというか、「気軽に読めそうな本なのかな(値段的には違うかもだけど)」と思った人や、「若者言葉の学術書を探してるけどこれはそうじゃなさそうだな」などの、ミスマッチが起こりそうな表紙だなと。
イラストやデザイン自体は、僕自身も大好きな部類なのですが、これは中身と合っていないので発注ミスというかニュアンスをうまく伝えきれなかったのでしょうか(大きなお世話すぎる)。
あとは、推測ではなく、実際に調べたデータ結論のみを述べる方針なので、ここもっと知りたい(「普通に」の発祥理由とか)というところが今後の課題とひとまとめにされており、これは筆者の推論ながらも~といった体で筆者さんの意見を聞きたいなぁ、と思った次第。
わりとこういう本で、とくに心理学とかだと、まだ完全に解明できてないことが多いからか、そういった文章があるんですけど、言語学のほうが断定性があるのかなともちょっと思いましたね。
読んで得た新たな発見など
いろいろ言いましたが、本自体はかなりおもしろかったです。
続編が出たらぜひ読みたいのですが、10年以上の研究の蓄積だと思われるので、次に出るのは何年後だろうという感じかもしれません笑
個人的に印象に残った発見メモ
- 若者言葉は「る言葉」、「ぼかし言葉」などがある
- 若者言葉が生まれる理由は、「規範からの脱却」、「新し言葉の種類を増やすため」
- 「普通に」「微妙な」、「真」や「激」のような一文字の副詞も若者言葉
- ~さ(新説さ)、わかりみなどもとりあげられていた
たとえば、パニクるやビビるなど、たしかに若者言葉だなとあらためて認識した次第。
また、規範からの脱却はそのとおりだなと思っていて。
たとえば、ボカロ系のシンガーソングライターさんで、アルファベットと日本語を合わせた名前の方がけっこういらっしゃると思うんですけど、名前やひらがなだけだとすでに飽和状態となっているため、そういった新しい名前のスタイルに自然と移行していったのではないかと、僕個人は想像していたり笑
また、「普通に」など、あきらかに文法的におかしいのに自然と使われる言葉なども言及されていました(あまりページ数がなくて残念だったけど笑)。
総じて
若者言葉に関連した長年の論文をぎゅっと凝縮した1冊になっている、という表現が的確だと思います。
あまりにも細分化されすぎてて、辞書の説明文を読んでるかのごとく文章がすべるところもありましたが笑、日頃、何も意識してない言葉が目にとまるきっかけになる書籍かなと。
続編だったりもっと図解が多くなったものがあったらぜひそちらも読んでみたいな、と感じた次第です。
まとめ
以上、若者言葉の研究─SNS時代の言語変化を読んだ感想でした!
意外と若者言葉に特化した言語学の本格的なテキストって少ない印象があるので、非常にありがたい存在でもあったかなと。