こんにちは、つむぎゆりです!
今回は、「それはそう」の元ネタを解説します!
結論からいうと、本調査で「それはそう」が初めて使われたのを確認できたのが、2019年2月におこなわれたVtuber(ときのそらちゃん)の生配信内のチャット欄で、よって少なくとも2019年初頭には同フレーズが使われていた可能性が高いです。
ネットでは掲示板サイトが発祥という説もありますが、主要なまとめサイトを検索したところ、「それはそう」の初出が2019年10月のため、この説の可能性は低いと思われます。
元ネタについては不明のままですが、「それはそうだけど~」や、「それはそうと~」などの表現が転じたと筆者は推測しました。
「それはそう」が広まった理由としては、「Vtuberの流行により生配信を新規視聴する層が増加」「スマホでチャット欄を入力するための簡素化」、このふたつが仮説となります。
以上の結論と仮説はすべて調査と考察に基づいており、詳しくはぜひ記事本文をご覧ください笑
ごめんての元ネタ↓
ないなったの元ネタ↓
ごめんじゃんの元ネタ↓
それはそうとは?元ネタを調査
「それはそう」とは、常識の範囲内であろう反応が返ってきたときに、納得とともに応答する相槌やフレーズの一種です。
僕の観測範囲では、とくにYouTubeの生配信のチャット欄などでよく見かけます笑
それもかなりの頻度で目にするので、最近はなぜか当サイトが語源ブログになってきていることもありw、この機会に本気で調べてみることにしました。
明確な元ネタは検索しただけでは見つからず
最初に言っておくと、ちょっとやそっとGoogleを検索しただけでは元ネタは見つかりませんでした(だからこそ記事にしようとも思ったんだけど)。
パッと見たところでは、「Vtuberの配信でよく見かける」「2ちゃんねるなどの匿名掲示板が発祥では」などの声が。
で、調べるまえの僕個人の仮説としては、少しまえに流行った「それな」のネット版だと思っているのですが、それは後述するとして。
ここから、可能なかぎり、それはそうの元ネタを徹底調査していきたいと思います。
有名まとめサイトで「それはそう」を検索
まず、発祥が掲示板なのか、配信サイトなのか、それとも別の何かなのかを調べるのが先決だと考えました。
調査方法は、以下のとおり。
- まとめサイトまとめから、10サイトを上から順番に選出
- 検索欄で「それはそう」を入力
- 最も古い書き込みの日時で、使用時期を確認
この調査方法で、まず「初出はいつか」「主な使用時期」が、完璧でないにせよ、大まかに知ることができるかなと。
まとめサイトで語句検索した結果
まとめサイトの「それはそう」初出表
- サイトA:2019年10月「それはそう」(初出)を発見
- サイトI:2010年2月「それはそうかもな」を発見、2022年4月「それはそう」を発見
- サイトN:2022年5月「それはそう」を発見
- サイトV:2021年11月「それはそう」発見
- サイトK:2019年5月「それはそうやな」を発見、2020年3月「それは、そう」を発見
- サイトO:2021年9月「それはそうやな」を発見、2022年5月「それはそう」を発見
- サイトG:2013年4月「それはそうかもな」を発見、2021年12月「それはそう」を発見
- サイトV:2015年11月「それはそうやな」を発見、2020年8月「それはそう」を発見
- サイトB:2021年5月「それはそう」発見、2020年「それはそうやな」を発見
- サイトT:2021年6月「それはそう」発見
傾向としては、「それはそう」だけで返答が完結するものは、2019年10月が初出で、頻繁に見られるようになったのが2020年~2022年現在までとなります。
また、「それはそうやな」、「それはそうかもな」など、「それはそう」と定型化するまえにも似たようなフレーズで使われていたこともわかりました。
補足ですが匿名掲示板には、キャラの会話でミニ小説のようにする文化があるのですが、そこで使われたものは表に含めませんでした(2010年ごろから1サイトにふたつかみっつほどでしたが、キャラのセリフの中で「それはそうかも」のようなものがあり。「それはそう」だけで終わるものはなし)
まとめサイトで語句検索した結果(文章型)
続いて、「それはそうだけど~」のような、非単語化バージョンの「それはそう~」も見かけたので、参考になるかと思い、以下にまとめてみました。
この記事では便宜上、「それはそう」だけで終わっているのを、単語型。
「それはそうだけど~」と文章が続くのを、文章型と呼んでいきますね。
まとめサイトの「それはそう~」文章型の初出表
- サイトA:2021年6月
- サイトI:2012年12月
- サイトN:2017年11月
- サイトV:2015年6月
- サイトK:2021年2月
- サイトO:2022年1月
- サイトG:2020年1月
- サイトV:2020年8月
- サイトB:2016年4月
- サイトT:2020年5月
こちらも2010年ごろから見かけていることがうかがえますね。
まとめサイトで語句検索した結果(接続詞型)
さらに、調べていくうちに、「それはそうと~」と話を切り替えるタイプのそれはそうが使われていることも発見笑
当サイトでは、これらを「接続詞型」と呼ぶことにします。
以下に、「それはそうと~」の初出表を記載。
まとめサイトの「それはそうと~」接続詞型の初出表
- サイトA:2022年5月
- サイトI:2014年3月
- サイトN:2018年8月
- サイトV:2022年6月
- サイトK:2015年3月
- サイトO:2022年7月
- サイトG:2018年9月
- サイトV:2019年1月
- サイトB:2022年11月
- サイトT:2021年7月
調べていくと、けっこう「それはそうと」の検索結果があったんですよね笑
こちらも2010年ごろから使われていたことがわかります。
まとめサイトで「それはそう」を調べた総合結果
- 「それはそう」の初出は2019年10月
- 2020年から頻繁に使用され始めた
調べた所感としては、めっちゃ眠いです笑
詳しい調査方法をあらてめていうと、Googleでサイト内検索が可能なので、2000年から2022年で「それはそう」を検索していった感じですね。
本当は「それはそう」だけを調べるはずだったのですが、ほかの用法がけっこうあるなと思い、ついでに載せていきました(これが予想外にたいへんだった)。
果たして調べる必要があったのかは謎ですが笑、どうなんでしょうね、「それはそう」に転じる前段階として、文章型や接続詞型が広く受け入れられていたからこそ成立したという可能性があるかもしれません。
YouTubeで「それはそう」を調査
続いて、YouTubeでいつから「それはそう」が使われ始めたか調べていきたいと思います。
調査方法なのですが、僕はそこそこVtuber界隈については詳しいのですが、YouTuber界隈全体はまったく知らないも同義だったりします笑
で、いろいろ考えたのですが、調査方法を以下のとおりとしました。
- 生配信を主軸としたVtuber(月ノ美兎・ときのそら)のチャット欄で「それはそう」を検索
- VtuberやYouTuberまとめサイトで「それはそう」を検索
まずVtuberの調査方法の説明なのですが、バーチャルYouTuberの歴史は、キズナアイちゃんが動画を中心としてデビューし、その後にじさんじという生配信を中心とするグループが誕生しました。
で、にじさんじを牽引し、ブームの立役者となったのが月ノ美兎ちゃんです。
さらにその後、ホロライブというVtuberグループもデビューし、人気を牽引したのがときのそらちゃんでした。
なので月ノ美兎ちゃんとときのそらちゃんのチャット欄を数ヶ月ごとに検索していけば初出の時期がそれなりにわかるかなと笑(そらちゃんも初期は動画勢だったが、途中から生配信も増加)
YouTuberでも同じ方法で調査しようとしたのですが、ヒカキンさんの生配信を試しに見てみたらチャットログが表示されていなかったりしたのと、すでに筆者の体力に限界がきているのもあり笑、まとめサイトの検索で切り上げることにしましたw(人生妥協は大事)
というか完璧に調査するならば、たとえばニコニコ生放送なども探さなければならず、ちょっと個人がやるには不可能な規模ではありますよね笑(いまさら)。
Vtuberでそれはそうを調査
2019年2月、ときのそらちゃんのゲーム配信にて、34分ごろに「それはそう」というコメントを見かけました。
で、このとき流れてたコメントは1個だけだったんですよ。
2022年であれば、「それはそう」と弾幕のようにコメントが流れていてもおかしくない状況なので、まだ定形フレーズとしては定着していない可能性が高いです。
また、美兎ちゃんとそらちゃんの2018年終期の動画をいくつかピックアップしたのですが、「それはそう」がひとつも発見できなかったので、2018年後半~2019年前半でVtuber界隈で広まった可能性が大きいのかなと。
…ちなみにこれ探すのけっこう苦労しました笑
本当はYouTubeのチャットログをダウンロードするのが最も効率的なのはわかっていたんですが、APIうんぬんの手間がすごく面倒くさそうだったので、倍速でチャットを流しながら目視とコントロール+F(パソコンの文字検索機能)で探すという、非常にアナログ的なやり方だったんですよね笑
VやYouTuberのまとめサイトでも検索
結論をいうと、2019年代で「それはそう」とコメントしているサイトは見つかりませんでした笑
というわけで、ネットの掲示板というよりは、Vtuberなどの動画配信などで広まった可能性がやはり高いと思われるのですが、これがVtuberから始まったのか、YouTuberから始まったのかはまったく断定できませんw
個人的には、それまでも生配信という文化があったにもかかわらず「それはそう」が広く使われていなかったわけで、Vtuberが世間的に人気になりだした時期と「それはそう」が使われた時期が重なっていることから、演繹法で考えてまあまあ妥当な仮説なのではないかなと思います(もちろん確定はできないが)。
まあとりあえずそれは仮説として置いておいて、とりあえず今までの調査でわかったこと、そしてほかにも由来などの憶測もまとめてみようと思います。
総じて:調査の結論と、由来の仮説
というわけで、ほぼ1日がかりでおこなった調査が無事終わったところで笑(1日で終わってよかった)、「それはそう」の元ネタについて、最終結論を出したいと思います。
まず「調査でわかった事実」を記してから、その調査結果と状況を照らし合わせた推測を解説。
その後、調査をした筆者自身が思う、データを元にしたなぜ「それはそう」が広まったか、その由来の仮説を紹介します。
調査した事実と、結果の所感
- Vtuber界隈では少なくとも2019年2月には「それはそう」のコメントを発見できたため、2019年前半には「それはそう」を短文で打つ文化が発祥した可能性が高い
- まとめサイト検索での「それはそう」の初出が「2019年10月」だったため、遅くとも2019年後半で掲示板界隈に広がった可能性が高い
というわけで、「それはそう 元ネタ」で検索すると、匿名掲示板が発祥では?という説がありましたが、調べていくと「生配信」がおそらく発祥です。
ちなみに実は自分もこのあたりからVtuberを見始めていて笑、にじさんじの2次ブーム期ともいえる(1次が美兎ちゃん、2次がさんばか、3次がくろのわだとしたら)時期でした。
仮説:「それはそう」がなぜ広まったか
ここからは、完全に筆者の仮説となるので、そのつもりで聞いていただけると助かります笑
まずなぜ広まったかを考えるにあたって、「それはそう」がどんなシーンで使われているか、という考察が最も重要だと考えます。
それはそうが使われるシーンは主に以下のとおりではないかと。
- ゲーム自体に明らかな矛盾があり、配信者が常識的なツッコミを入れる
- ゲーム自体に明らかな矛盾があり、ゲーム内のキャラがツッコミを入れる
- 配信者が雑談をしているなかで、コメントや体験談などでツッコミを入れる
以上のような状況のなかで、チャット欄にて「それはそう」の文章が流れる
つまり、「配信者が常識的な意見を言うのに対し、周りの状況(ゲームやコメントなど)が常識外だったときのリスナーが打つ同意フレーズ」がそれはそうの正体だと思うんですよね。
さらに、生配信内で皆が使いやすく広まりやすいフレーズには以下のような特徴があります。
- アカウントがNGになりにくいもの(wの連続のようにBANされにくい)
- 一目見ただけでわかりやすい
- 長さが短くて打ちやすい
ニコニコ動画のときは「w」と呼ばれるスラングが流行っていましたが、「wを連投するとAIで弾かれる・スマホで動画を見る層が増えた」などの理由から、「草」というネットスラングが台頭しました。
また、ほかにVtuber界隈で流行っている似たような言葉としては、「ないなった」や「くしゃみ助かる」など、比較的短くて打ちやすいフレーズなんですよね(反対にニコニコで流行っていた「あら^~」などは衰退気味)。
一般層が増えたことにより、新しい言葉が必要になった?
2019年以前でもゲーム配信がおこなわれていたにもかかわらず、調査の結果から推測すればそれ以前に「それはそう」が使われている形跡はありません。
この事実から逆算するに、Vtuberで初めて生配信を見始めた層が、「それはそう」を使い始めたのではないでしょうか。
2018年代でもゲーム実況は多くおこなわれ、バカゲーだったり理不尽ゲーが多く配信された結果、「それはそう」が広まってもおかしくない状況でしたが、しかし実際には広まっていない。
ということは…2019年に起こった変化として、それまでVtuberに興味のなかった層も生配信を見ることになったことがやはり挙げられるのではないかと(たとえば女性層や10代。またはマーケティング的にいえば、イノベーターだけでなく、アーリーアダプター層)
で、僕が思うに、2013年~2015年に流行った「それな」と関連性があると思っていて。
僕はそのときマクドナルドでバイトしていたのですが笑、10代の子がばんばんリプライで実際に「それな」を使っているのを見て、「本当に流行ってるんだー」と驚いた経験があります。
なぜ「それな」がそのとき流行ったかというと、「それな」が必要な状況が増えた(LINEなどのSNSでの便利な相槌など?)からだと個人的に推察しています。
つまり、仕組み的には以下のようになると仮説を立てます。
それまでVtuberなどの生配信を見たことない層がチャットを打つ状況が増えた、スマホでも打ちやすくゲームなどで配信者に同意するようなフレーズの需要は潜在的に高かった、今までにチャットを打たなかった層が「それはそう」と打ちだして一気に広まっていった、こういった時系列が筆者の仮説です。
仮説の補足
最初にまとめサイトを調べていて、文章型や接続詞型など、謎の分類をおこなっていましたが笑、もともと世間一般に「それはそうだけど」であったり「それはそうと」といった使い方は絶対広まっていたはずなんですよね。
ただ、YouTubeなどのチャット欄って長文は打てないし好まれないじゃないですか。
なので難しい言葉が省略されたり、文字数が少なくなる傾向が全体的にあると思います。
そのためか、じゃあリアルで「それはそう」を使っているかと聞かれたら、調査しないとわからないのですが、僕は全然使ってないと思うんですよ笑
あくまでも「YouTubeなどのすぐ流れてしまうチャット欄に合わせた言葉」が、それはそうの可能性が非常に高いんじゃないかと。
これが匿名掲示板が発祥であれば、べつに短くなくてもいいと思うのですが、すぐコメントが見えなくなる特性上、言葉の短縮化が必要とされている気がするんですよね(「それな」などを鑑みてもその傾向がある)。
長々と書きましたが、スマホでチャットを打つ、新しい層が生配信を見始めた、このふたつの時代の変化が「それはそう」を生み出したのではないでしょうか。
まとめ
以上、それはそうの元ネタや発祥を解説しました!
めちゃめちゃ疲れたので、この調査がどなたかの役に立っていただけると幸いです笑