【歌詞MV考察】秒針を噛む|デビューの胸中や死の恐怖を表した曲【ずっと真夜中でいいのに。】

【歌詞MV考察】秒針を噛む|デビューの胸中や死の恐怖を表した曲【ずっと真夜中でいいのに。】

こんにちは、つむぎゆりです!

今回は、ずとまよの「秒針を噛む」の歌詞やMVの意味を考察します。

結論からいうと、老化(死)を止めるために秒針を噛み、デビュー時の不安な心境や、人生の切なささやどうしようもなさを歌っている曲です。

【歌詞MV考察】秒針を噛む|デビューの胸中や死の恐怖を表した曲【ずっと真夜中でいいのに。】

MV考察

ずとまよのデビュー曲ということもあり、おそらくメッセージ性はかなり強くなっています。

そもそも「ずっと真夜中でいいのに。」というバンド名自体、このまま不老不死(もしくは若いまま)でいられたらいいのに、といった意味だと思うんですよね。

なので、秒針を噛む=時計の針を止める、といった解釈はおそらく満場一致では、と思われます(満場一致じゃなかったらどうしよう笑)。

ただ細かい部分などではそれぞれ解釈が違うでしょうし(というか歌ってそういうものだと思う)、これは筆者の見解ということで参考程度に見ていただければとw

MVの大まかなストーリー

少女が不思議な世界で仮面とともに佇んでおり、時計が回っているなかで夜になっていく

ストーリーといった起承転結ではなく、シュールな世界観のなかでメッセージが散りばめられている印象です。

キーキャラとしては、少女と仮面、または目あたりでしょうか。

ちなみに仮面の色合いが車の初心者マークっぽいなと思ったのですが笑、とくに意味がない可能性もありますが、テーマ的には「期限がある(初心者マークはいつか外すことが決まっている)」といったメッセージがこめられているかもしれません。

MVの流れと考察

  • 少女がショーケースの中の服を見ていることから始まる
    • MVの終わりでも同じシーンで締めくくられているので、その間のシュールな出来事は少女の心象風景(本来は心の中の景色という意味ですが、この文脈では思考の映像化)と考えるのが妥当か
    • ほしい洋服を見つめている→若さの象徴や、憧れなどを表している可能性が非常に高い(これだけメッセージがこめられているMVで、始まりと終わりに無関係なシーンを挟むとは考えにくい)
  • 少女の心の中のパートへ
    • 動いている時計→心臓のようにも見えなくない
    • 女の子の絵の頭のあたりでゴチャゴチャとしたボールペンのような書き跡が、アフロのようにも見えるシーン→これは少女の考えていることだと暗喩
  • 秒針を噛むという曲のタイトルが表示
    • 少女が花瓶に花を差す→片方はすでに横を向いていて、あとから色違いのものを正面に置いている。のちにわかるが、赤く横を向いているほうが目人間(※後述)を表していて、少女があとからこの世界にやってきたということか
    • 少女が「目が顔」になった人間とテーブルを囲んでいる。この構図自体はミケランジェロの最後の晩餐という絵に近いが、最後の晩餐の構図自体、ヨーロッパ絵画によくあるテンプレートではある(このMVではおそらく単に晩餐シーンを表していると思いますが)
    • 魚のムニエルを食べる少女→単に歌詞に合わせた映像か
    • 時計が動く部屋で、さまざまなお面の中に顔を挟む少女→偽りの気持ちという歌詞の表現。そのあと、目人間が目をつぶるが、「黙る」の歌詞の表現だろう
    • いけた花の片方が傾く→目人間が去っていったと同時に横を向いていた花が傾いていたので、少女と目人間の暗喩だと思われる。じゃあ目人間は何を表しているかという話になるのだが、真実を知りたいという心の現れ
  • 少女が動いている時計を映っている鏡を壊す→これも歌詞に合わせた内容ではあるが、これ以上時を進めたくない(死に近づきたくない)、といった意味合いか
    • 仮面男が後ろから現れる→仮面男は明らかに何かの比喩だと思われる。これをなんの意味として考えるかでMVの意味がまるで変わってしまう気もするが笑、時計の小道具や歌詞などから考えて、「死」や「老化」などの意味合いという気はする
    • ただ、目人間が「真実を知りたい心」で、仮面が笑っている箇所も考慮するならば、正確には「死の恐怖」、「生物の真実(要は生まれたら必ず死ぬ)」などを表しているのではないか。
    • そう考えると、笑っていることの説明がつく(しかも馬鹿にしているような嘲笑)。要は、ニュアンスとしては「君は考えているけど実はわかってるんでしょ?」のようなぐあいというか
  • 仮面が後ろで踊っているなかで歌う少女→真実(生物はいつか死ぬ)に背けていることの暗喩か
    • もともといけてあった花びらがおちる→目人間が「真実を知りたい心」の現れだとするならば、真実を知りたい心が薄まっていったことを意味する。「真実」とは、このMVでいえばやはり「死」であろう。考えていくなかで、少しずつ現実の考え方に染まっていってしまったということか
    • 仮面に抱きかかえられ、シルエットのみとなり様々に変化する演出→輪廻転生=死をあらわしている可能性はある。ただ、MV自体はまだ続くためその線は薄い。「死」というよりは、やはり「死を恐怖する」という概念というか考え方で、シルエットになって変化している様子は、「思考」を表すとみると整合性がつきやすいか
    • このシーンで少女がギターを持っている→ACAねさんはもともとストリートミュージシャン出身で、その最中の心境ということ?
  • 「ずっと真夜中でいいのに。」のクレジット挿入冒頭は曲のタイトルだけだったのに、あえてここでバンド名が表示されている。明らかに意図を伴った演出であり、同時に非常に珍しいといっていいだろう
    • ひょっとしたらだが、少女自身がACAねさんだとすると「このままではただ死んでいくだけ」といった、なんらかの人生に対する焦燥感でずとまよ」プロジェクトを初めた、という暗喩かもしれない
  • 落ち葉(イチョウの葉)が吹く演出→時間の経過の比喩か
    • 朽ちてくトマト→寿命や時の経過を表してる?
    • 宇宙のなかで膝をかかえて回る少女→思考している様子
  • 仮面が崩れ落ちて、中から目の顔が出現する→真実を知りたい心が打ち勝ったことを表していそう。流れとしては、「焦燥感からバンドを組む」→「確かに死は怖いがまだまだやるべきことはある」、といったポジティブな意味合いだろうか
    • 仮面と目がいったいなにを表しているかによってだいぶ変わってくるが、バンド名が出たタイミング、月日が経過した様子などを鑑みると、「何かの考え方(仮面)」を受け入れ、そして考えたすえに思考が変わった(目になった)といった意味を表現している可能性が高い
  • 目が口に変わる→これがおそらく秒針を噛む口だということは想像に難くない。つまりは、バンドを初めて無理やりにでも時をとめてやるぜ、といったニュアンスか
    • …ただし、あくまで「噛む」なので、当然のことながら止まらないことは重々承知のうえだが、「どうせ死ぬならやりたいことをやってやる」といった、反骨精神だからこその「噛む」であり、曲のタイトルが「秒針を止める」や「秒針を食べる」ではなく「噛む」なのは、「わかっているがこの世の中に一矢報いる」といったアナーキーさがこめられていると考える
  • いけた花が2本枯れている→時間の経過を表しているのか、もう葛藤はなくなったという意味か。筆者は両方だと感じる
  • 目人間の人間だった部分が崩れてしまう→もう戻れない不安?
  • 冷蔵庫の中で、時計が檻に入れられている→歌詞表現だと思われるが、時間の経過をなくしたいといった意味か
    • 髪と口だけの少女と、目と口だけの顔が歌うシーン→このあとのシーンから考えると、目と口の霊的なもの(魂や幽霊)か。つまり、消えていってしまった目と口だが、少女は戻ってきてほしいと願っている(その証拠に両手を組んでいる)
    • また、かなり細かい指摘ではあるが、目と口だけの顔の上部を見てほしい。左が赤で右が黄色のマークが施されている。仮面とは別の種族(考え方)であったり、やはり初心者マーク(制限時間付き)ということを表しているのではないか
  • 電気が灯り、目口人間が復活し、仮面と少女が踊るシーン
    • 明らかに悩みや不安がなくなったといった意味を表しているのだろう
    • その後の復活した花、少女を見守る仮面の人々など、この最後のシーンで少女になんらかの決心がついたと見ていいはず
    • このシーンをまとめると、歌やピアノ(バンドを初めたこと)をきっかけに、死の恐怖を受け入れ、真実を知りたい心が復活し、さらに第三の新しい考え方(生き方)が少女(ACAねさん)に誕生した、といった感じだろうか
  • ショーケースを見ている少女の影と、突然現れる目、そして部屋の中の夜
    • 今まで以上にいくつかの想像がふくらむシーンだが、まず断定できそうなのは、ラストシーンの夜=「ずっと真夜中でいいのに。」を表しているということだろう
    • 今までのMVの流れを頭にいれたうえで上記のシーンを見るに、「ショーケースを見ているあいだ少女の頭の中ではこんなことを考えていた」、「再びショーケースのシーンに戻る→現実への回帰」、「しかし目だけは現実に現れる→考えていたことが世の中に反映され初めた」、といったことを表しているのではないかと
    • つまり、「バンドを始めるまでのきっかけ、そして始める意思表示」がこめられているMVという推論が上記の考察から成り立つ(だからこそ最後の夜空)
    • また、単に夜景ではなく部屋の中に三日月が浮かんでいるのは、人工的に作った(バンドのこと)という意味合いではないか

MVに隠された本当の意味

MVに隠された本当の意味は以下のようなものだと思われます↓

ACAねさんが「ずっと真夜中だったらいいのに。」を初めた理由やその心中が描かれている

実はこの記事を書くまで、上記のようなことはまったく思ってなかったのですが笑(なんか意味があるんだろうな~ぐらいにしか思ってなかった)、深く考察すると、デビュー曲にふさわしい壮大な意味が隠されていると感じました。

やはり決定打としては、「ずっと真夜中だったらいいのに。」というバンド名、「秒針を噛む」というタイトル、バンド名がMVの中盤で出ること、月日がたったことの表現やギターを持っている少女、ショーケースを見ている少女=現実、最後に夜で終わることなどから、かなり綿密に暗喩を散りばめられて作られた内容だと推測します。

歌詞考察

僕はMVが「ずとまよ」の結成を描いているものだと思ったのですが、順当に考えればMVよりも歌詞が先にできているはずなので、歌詞も似たような意味になっているのがセオリーです(筆者の考察が的をえていればの話だが)。

ただパッと見るかぎり、上記のような意味は歌詞から見受けられず、歌詞はどちらかというと抽象的な意味合いが多いのかなと。

しかしながら、そのなかでも「秒針を噛む」ことによって「時の流れを止める」といった主要テーマはやはり変わらないはず。

また、歌詞の前半では「する資格もないまま 僕は」の部分が、後半では「演じ続けるのなら」となっており、筆者はやはり「ACAねさんのずとまよに関する決意」を歌っていると感じ、ただ全体的にあえて抽象的な歌詞とすることで、聴く人にさまざまな共感を呼ぶ効果を演出したのではないでしょうか。

歌詞の流れと考察

  • 生活の偽造→つまらない日常といった意味合いか
  • 何が何でも 面と向かって「さよなら」苦しくなっても音楽をきっぱりとやめないといいう気持ち?
    • 明らかに対話形式の歌詞だが、デビュー前の自分とデビューを決めたあとの自分との会話か。もしくは音楽を始める前と後
  • 灰に潜り 秒針を噛み→後半が肺なので、意図的だと思われる。前半はつまらない日常という意味の「灰」で、後半は自分の胸中という意味合いの「肺」か
  • 「本当」を知らないまま 進むのさ→「本当」とはいったいなにか
    • 音楽活動のことを歌っているのであれば、輝かしい人気や職業人としてのミュージシャンとしての日々かもしれないが、そう解釈すると世俗的すぎだろう
    • 「秒針を噛む」がタイトルということを考えると、「進むのさ」というポジティブな言葉尻なので、「人間はいつか必ず死ぬ」といった「世の理」の可能性が高い
    • すぐあとに続く歌詞も併せて考慮するならば、「死ぬことを忘れたまま生きていってやる」、とやや前向きでありつつも不安な心の様相か
  • このまま奪って 隠して 忘れたい
    • 曲全体を通して何度も繰り返されるフレーズであり、おそらく曲のメインテーマ
  • 会って「ごめん」って返さないでね
    • 果たして誰と会っているのか、そして相手は誰なのか。テーマをまったく考慮しなければ交際相手などにも思える箇所
    • 後半部分では同箇所が『「疑うだけの僕をどうして」』、「救いきれない 嘘はいらないから」となっており、この部分と対比することで意味が明快になりやすいと思われる
    • MVや当時の状況などを加味するならば、筆者はやはりデビューを決めた自分と、デビューを止めるもうひとりの自分との対話だと推測する
    • どの程度の人数がプロジェクトに絡んでいたかは定かでないが、インディーズであったことを踏まえるとMVやレコーディングに多額の資金がかかっており、今でこそ人気は出ることがわかっているが当時の心境としては不安な部分が大半を占めただろう
  • 演じ続けるのなら
    • 今までの歌詞を見るに、この「演じ続けるのなら」は誰かが嘘をついたままだったら…と意味合いではなく、「自分がこのまま何かを演じ続けるのならきっと活路はある」といった意味合いでは
    • 後半パートを全体的に俯瞰すると、やはりもうひとりの自分との対話に思える
  • 「僕っているのかな?」
    • 仮にデビュー前の自分と対話しているのならば、ミュージシャンとしての自分のアイデンティティか
    • そうなってくると、「奪って隠して 忘れたい」は音楽活動を続けていく際の不安ともとれる
    • 後半で意味が変わった可能性もあるし(というかそもそもなんの意味もこめられていない可能性もありますが)、両方の意味もあるかもしれず(死ぬのが怖い+音楽活動を続けるのが不安)、MVを考慮するならば…やはり両方といった意味合いか
    • ただMVはあくまで補助なので、歌詞が本来のメッセージという可能性が非常に高い。
    • となれば(つまりMVを考慮しなかったとしても)、「このまま時がすぎるのは怖い、だから音楽を続けるんだ」という気持ちがこめられており、このあと2回同じフレーズが続いているが、これはたまたま2回なのではなく、2種類の不安を閉じ込めているのでは?(そもそも人間の「不安」という情動自体を分けるという発想がナンセンスかもしれないが)
  • ハレタレイラ
    • 最後の歌詞のため、重要なメッセージがこめられている可能性はある。
    • ネットを検索すると、レイラ=アラビア語や英語の女性名で、同じくアラビア語で「夜」との意味もあるらしい
    • ハレタはハレの日から?お祭りなどの特別な日のことを、昔の日本ではハレの日とよんでいた
    • ハレタ=晴れたの可能性もあるが、「ずっと真夜中だったらいいのに。」がバンド名ということを考慮するならば、「曇っていない澄んだ夜」、「1人の女性(レイラ)がデビューした特別な日」、「特別な日の夜」などが考えられ、トリプルミーニングになっている可能性もある
    • 筆者は「夜の名のつく女性がデビューした特別な日」という意味を推したい。あと、さらに推測だが、なんらかの理由でACAねさんがアラビア語に詳しく、まず後半のレイラの3文字を発想し、残りの3文字を夜の反対(晴れ)などから思いついたかも
    • 秒針を噛むというタイトルを初めて見たときから思っていたが、筆者も似た発想で小説のタイトルを考えていて、まずどちらかを決めてそのあとに残った単語をルーレットのように考えていってピタリと当てはまるものを選ぶ手法。この場合だと、「秒針」を先に思いついてから、「噛む」という言葉がぴったりなのでは、と思いついた流れ
    • もし秒針を噛むがそういった発想法で、なおかつハレタレイラも同じ発想法(最後の言葉という重要な位置なのでその可能性はあるかも)で思考したとするならば、そもそもふたつの単語を合わせた造語じゃない可能性すらもあるが、一般では考えにくいレイラから考えたとするのが妥当では

総じて

ハレタレイラ以外の箇所はあえていっさいほかのサイトを見ず考察しました笑

もしACAねさんがすでにどこかの配信で意味などを話していたら、まったくの無駄ではないでしょうが、ただ深読みしただけということになりますねw

ちなみに恋愛を歌っていると考察されているという説も調べているあいだで見かけたので、本当にいろいろな解釈があるんだろうなぁと。

余談ですが、僕もむかし作詞をしていたことがあって笑、あとはロッキング・オンとか音楽雑誌を読むのがむかし好きでした。

そのときの経験から、曲の歌詞は必ずしも意味がない場合もあるし、そもそもいろいろな意味で受け取れるような歌詞にするのもおそらく重要なテクニックだと思われます(そのほうが共感されやすく売れやすいだろうし)。

で、ずとまよの話に戻るのですが、あえて謎を残したり抽象的にもしていますが、実は意味があるしべつに意味がわからなくても楽しめるような作りになっているのかなーというのは感じました。

なので、合っている合っていないとかそういったことよりも、芸術は作った人の感性を味わうのが楽しいんだよなぁ、と考察をしながらなんとなく思ったり笑

僕は「秒針を噛む」の曲自体、けっこうまえに好きなVtuberさんが歌枠で歌っていて、そこから知ったのですが、この記事を書くまで歌詞やMVの意味は正直気にしたことがなくw(さすがにタイトルやバンド名=時間と関係しているんだろうな、とは考えていたが)

ただこうやってあらためて考えてみると(ブログのアクセス数を増やすというよこしまな目的が考察のきっかけではあったが)、もともとエヴァとか好きでしたし、MVや歌詞を考察するという文化があるのか、と思いついたきっかけにもなりまして。

おそらくこのブログの方向性がかなり変わっていくことも予想され、非常に感銘を受けましたしきっかけになった曲ともなりました。

まとめ

以上、秒針を噛むの歌詞やMVを考察しました!

午前中いっぱいずっとキーボードを叩きつつずっとMV見ていたので、すでに満身創痍な次第です笑(まだ午後の1時)

▶高校を受験せずお笑い芸人を目指す→ネタ見せ2年→小説を10年間で110作投稿し新人賞受賞→漫画で同人作家7年→現エンジニア&チャットノベル「百合と世界と名探偵」連載中。

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